2011年12月21日水曜日

我が家の松の実です

我が家の松の実です
My 松の実



31年前のローマ、ジャニコロの丘のかさ松の松ぼっくりです。

気分的には20センチくらいはあると思っていたのですが、
測ってみると13センチほどの大きさでした。
31年経って、艶も出てきました。




あれから30年経ち、その松ぼっくりの種が桐生の地に育ちました。


高さは10メートル近くになりました。



30年ほど前、東京の設計事務所に勤めていた夫が、郷里の群馬で独立することになりました。
弱冠29才で、郷里といっても太田市という初めての土地での独立です。
順調に仕事が得られるという保証もなく、田舎での忍耐の生活が予想され…そのとおりでしたが…独立前に海外旅行をしようということになりました。
勤めていた設計事務所は薄給だったうえに、あの当時の旅費はかなり高かったので、とうてい預金ではおいつかず、ローンを組んで行ったヨーロッパ旅行です。


その中でイタリアのローマ、ジャニコロの丘…だったような…に行った時のことです。
地元の少年が何かを叩いては口に運んでいます。
近くに寄ってよく見てみると、左手に大きな松ぼっくりを持ち、その松ぼっくりから小さな実を出しては石で叩き割って中の松の実を食べているのです。


日本の小さな松ぼっくりしか知らなかった私には、少年の持つ大きな松ぼっくりに驚いたのと、食べられるほどの松の実があることにも驚いたのです…30年前の私は松の実の存在も知らなかったのかも…


持っていたおせんべいと少年の松ぼっくりを交換しました…『サルカニ』のようです。


ジャニコロの丘のかさ松の高さは20メートルくらいはあったような気がします。
ほんとうにまっすぐ伸びた幹の上に傘がのっているようでした。




予算も少なくたいしたお土産も買えなかったので、大きな松ぼっくりとそのいきさつが土産話になりました。


夫の両親はこのかさ松の松ぼっくりから種を採って、庭に蒔いてくれました。
そこから10本近くのかさ松の苗が育ったのです。


松の木は数年も経つとそれぞれがかってに枝を伸ばし始めました。
当時両親は養蚕を仕事としていたので毎日が蚕の成長に合わせ、昼も夜もない生活です。
父は几帳面な働き者したが、忙しい毎日に庭木の手入れをする余裕がありません。
10本もの形の悪い、まるで趣のない松の木に、とうとう父の『くっからしい!(むさ苦しい、うっとうしい)』の一言が出ました。
その言葉とともに松の木は切られることになってしまったのです。


ヨーロッパ旅行の記念ですから...一本の松の木を残してもらいました。




5年前に父と母の畑を受け継ぎ、2年前からこの土地に住み、そのかさ松の木の下を、松ぼっくりのことも松の実のことのすっかり忘れて行き来していました。


2年ほど前に松ぼっくりが着いていることに気がついていましたが、小さな松ぼっくりが数個見えただけでしたから、そこから松の実にまでつながることはありませんでした。


昨年、松の木の下で小さなアーモンドのような種を拾い、これは何?
何気なく上を見ると松ぼっくり…?…!
急いでキッチンから肉タタキを取り出して割ってみると…松の実あった!
ローマの松の実が育ったのです。


落ちてきた松ぼっくり、松の実が飛び散っています


鱗片の間にだいたい2個の松の実があります

硬い松の実をたたき割ります



30年経ったカサ松は10メートルほどの高さになりました。
あまりにも高いので松ぼっくりを取ることができません。
…『サルカニ』の蟹のように上を見上げるばかりです。


松の実を手にするには、木の上で松ぼっくりの鱗片が開いて松の実が一つ二つと落ちてくるのを拾うか、風の吹き荒れた翌日に落ちている松ぼっくりを拾うかです。
ところが落ちてくる松ぼっくりの種は黒くすすけていて、肉タタキで割っても、多くはゴミのようなカスだったり、すっかり萎びたものだったりで、白くきれいな状態の松の実は少ないのです。
確かに松の実はあったはずで、これは収穫のタイミングが悪いのだと思います。




ひと月ほど前、植木屋さんが庭木の剪定にはいってくれました。
かさ松は下の枝から枯れていきます。
その枯れた枝を切り落とすついでに松ぼっくりを取ってもらいました。
やはりすすけた実が多かったのですが、それでも60グラムの松の実を採ることができました。


ユニックで上がる植木屋さん


まだ薄皮が付いています


松の実とくれば、作るのはもちろんジェノベーゼソースです。
11月の畑に残ったバジルの葉を摘んできました。


100グラムのバジルの葉と50グラムの松の実を使い(残り10グラムはそのままの形で調理する予定)、今年収穫の大きなニンニク一片も。
パルメザンチーズとオリーブオイル、塩。


きれいに薄皮をとって60グラムありました

軽く煎って…煎りすぎたかな?

11月の最後のバジルです



ジェノベーゼソースができあがりました


アボカド、クリームチーズ、11月のミニトマトを和えました
モッツァレラチーズならもっとよかった…それにトマトもバジルも夏の盛んな頃なら最高でした



定番 ジェノベーゼパスタ


ジャガイモにからめて…


おいしいジェノベーゼソースができました。
たっぷりと使った松の実のこくが感じられます。


自家栽培の大豆でお味噌を作った時も嬉しかったけれど、家の庭で松の実が収穫できるなんて夢のようです。
手前味噌と言われようが、自分の家で穫れたということが格別の味付けになるわけです。


30年も前に種を蒔いておいてくれた父母に感謝です。



まだ松ぼっくりはたくさんついています



今回12、3個の松ぼっくりから種を採ったのですが、収穫のタイミングがわかりません。
この的確な収穫時期がわかれば500グラムくらいの松の実は穫れたはずです。
収穫時期と収穫方法が今後の課題となりました。












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2011年12月15日木曜日

干し芋 始めました

昨年は年が明けてからの干し芋作りでしたが、今年は10日ほど前から始めています。
仕事の合間に忙しく掘ったさつま芋ですが、堀りあげてからは冷たい納屋の中にひろげたままです。
昨年は放りっぱなしのまま年を越し、寒さで傷んだりカチカチに乾燥したりで、干し芋にする以前に捨てるさつま芋が多く、早い時期に干し芋は作らなければならないことを実感しました。


雑然と置かれたさつま芋、里芋、キウイ、生姜


今年も傷みが始まり、小さな芋は乾燥で硬くなり始めています。
そこで小さなさつま芋から干し芋作りを始めています。


夕食後の片づけが終わってから、納屋からさつま芋を運び、洗って蒸しています。
この時、薪ストーブに蒸し器をかけておけば簡単に蒸しあがります。




冷めてから皮を剥きますが、何しろ小芋なのでちょこちょこと手間がかかります。
細く小さな芋は筋っぽいのですが、甘みは十分あるので捨てるには忍びなく、丸のまま干しています。


細くても丸干しとなると、好みの硬さになるまでには一週間近く干すようです。
ほし芋はネットの中に入っていますが、軒下に吊る下げているので、風埃や知らぬ間に鳥がとまったり…があるのではないかと思われます。
四六時中見張っているわけではないので、留守中に何か…不衛生なことがあってもわからないわけです。
そんなわけで、一週間もの間、外に吊るしておくのは不安な思いがありました。
そこで夜はロフトに吊るしてみることにしました。


ロフトに吊るして干し芋作り


薪ストーブの熱はどうしても高い位置に集まります。
普段生活する場所は20から22度の快適な温度でも、ロフトは一気に26、7度にもなって、子供たちが遊びに来た時にロフトに寝ると、暑くて寝られないとクレームがつくほどです。
洗濯ものも一晩でパリパリですからかなりの乾燥です。


ロフトでの干し芋作りには温か過ぎてカビが出るのでは…と思い、昨年はロフトは利用しなかったのですが…
一晩干してみてびっくり、いい乾き具合です。
外側はさっぱりと乾いているのですが、触るとなかはふっくら軟らかです。
ここなら2、3日で干し芋になりそうです。
今年はせっせと干し芋作りに励みたいと思っています。



軟らかく干しあがったクイックスイートとベニキララ


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2011年12月9日金曜日

12月…最後の夏野菜

12月に入ると、雨や曇りばかりの寒い日が続いています。
紅葉も強い雨風にさらされて、いっぺんに葉を落としてしまいました。
裸の木立が冷たい雨にぬれそぼるようすは、気持ちまで萎えるようです。



赤く染まったドウダンツツジの生け垣



鮮やかなドウダンツツジ





11月30日の紅葉


12月2日 冷たい雨に散った紅葉


12月になってもトマトはまだたくさんついています。
霜にあたった葉はすっかり枯れてしまっているので、トマトだけが重そうにぶら下がっているような状態です。
それでもトマトは少しづつあかるんでいるようで、温かな日差しが少しでもトマトにあたらないかと願うばかりです。




12月8日のトマト



12月に入ってすぐに、これで最後かと思いながら、少しだけ色づきはじめたトマトを収穫。
それから何日かたって、まだ凍りついた様子がないので、またまたトマトを採りました。そして、これが本当に最後の収穫になりました。


トマトを収穫した翌日は、氷が張ってかなり厳しい寒さでした。
凍ったトマトは膨張して割れ、ヒビが入りました。
日中気温が上がるとトマトからしずくが垂れて解けてきます。
こうなったらもう最後、たくさんの緑のトマトに未練を残したまま、今年のトマト栽培は終了となりました。





収穫したトマトは窓際にひろげておくと、徐々に色づいてきます。
こうしてトマトを追熟して、トマトソースを作るのが、トマトにかかわる最後の仕事になります。



12月のトマトソース…味は夏のものにはおよびませんが。


凍り付く前に…

12月8日 今期最後のピーマン収穫











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2011年11月26日土曜日

干し柿




長沢士郎先生の干し柿の額装です。
幅は180センチほどのかなり横長の作品です。
「霜月」という題がついているように、干し柿を吊るす情景はこの季節の風物詩です。






こちらは我が家の干し柿の風景です。


三年前に、干し柿を作るために蜂谷柿の苗を植えました。
今年は柿の当たり年と聞きましたが、我が家の蜂谷は一つも実をつけませんでした。


桃栗…柿八年。
まだ年数が足りないのかとも思いますが、一緒に植えた富有柿にはそこそこ実がついています。


今年も渋柿がないので干し柿は作れないと思っていましたが、あちこちで柿が吊るされているのを見ると、やっぱり作ってみたくって…
お店で蜂谷柿をみつけて、長沢先生の絵のように吊る下げてみました。






いつも思うことなのですが、干し柿や干し芋をそのまま外に干しても大丈夫ですか?
確かに寒い冬にハエや害虫は少なくなってきます。
でも静かに晴れた日の日だまりには、ハエが必ずやってきます。
甘い柿にハエが付かないはずはないでしょう…で、干し柿はそっくり寒冷紗でくるみました。
寒冷紗の端はしっかりと洗濯バサミでおさえて、これでひと安心。


上、下、アンバランスに並んだ柿をキッチンの窓から眺めています。
色といい形といいなかなか可愛いものですね。
あと20個くらい並べたら楽しそうです。
明日、蜂谷柿を探してみます。



柿の皮は干して、たくわん漬けに使います







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2011年11月24日木曜日

冬を迎えて

雪の便りが聞こえます。寒くなったのですね。

夜のうち薪ストーブを焚いているので、朝になって寒いという感覚はありません。
室内の温度は20度ほどになっているので、布団の暖かさの中から抜け出せないということもありません。
外に出て外気にあたっても、体が暖まっているからでしょう、冷気が気持ちよいという感じです。
…寒い朝を過ごされている方、ごめんなさい。



でも一夜にして里芋の茎が倒れ、さつま芋の葉が黒く傷んでいる様子は、間違いなく霜が降りた印です…トマトもいよいよ最終でしょうか…

霜で傷んだ里芋の葉

さつま芋の葉もシモヤケ状態です


今月中にしなくてはならない仕事はタマネギの苗の定植、エンドウの種まき、それから三番手の菜類の種まきでした。


今月は週末になると来客があったり、お客さまとの打ち合わせが入ったりで、なかなか畑仕事の予定がたちませんでした。
結局、平日の仕事の合間をぬっての畑仕事となりましたが、それでもなんとか予定通りに収まったようでほっとしています。


タマネギの苗を植えました


ところが霜がこんなに早く降りると思わなかったので、里芋とさつま芋の収穫を組んでなかった分、かなりあわてています。
芋掘りをとにかく急がなければ…と気持ちがせいているのですが、昨日も今日も畑に出る時間がとれませんでした。


明日もかなり冷えると聞いて、里芋とさつま芋が心配でしかたありません。


少し色づいたトマトを穫って、室内に置き追熟しています
霜で傷むのが残念で…最後のアガキです














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2011年11月20日日曜日

カリフラワー

寒い日があると思えば、汗ばむ日があったりでしたが、明日は雪の予報も…


ミニハクサイもかたまりはじめ、今日は初物を収穫です。



聖護院大根と聖護院蕪もそろそろ収穫できそうです。


チンゲンサイ、ターサイ、水菜、壬生菜はすでに二番手を収穫しています。
カブも二番手がふくらみ始め、大きくなったものから収穫できるようです。




そんな中カリフラワーが茎を伸ばしてしまっているのに気がつかずに、あわてて収穫をしました。


昨年までカリフラワーは年が明けて1月から2月頃の収穫でした。
寒さの中でなかなか大きくなれずに、何度も何度も葉をめくっては収穫の時期を探っていました。


今年のカリフラワー、わさわさと大きく重なった葉と寒冷紗のトンネルの中でその成長に気づかないでいたのです。
しかし第一の原因は極早生種だったことを忘れていたためです。
苗の定植後に気温の高い日が多かったこともあったかも知れません。


あわてて収穫したカリフラワーは、お店に並ぶ丸くモコモコと固まったものではなく、茎を伸ばして広がり、細かな花もついているように見えます。



開いてしまったカリフラワーはカゴいっぱいになりました。

ところが、これがとても美味しい!
ほっくりした食感とやさしい甘みで、いくらでも食べられます。
いろいろな調理法はあるのですが、蒸して温かいうちに食べるのが一番美味しいと思います。
その形から、商品価値はないので、誰にでも『どうぞ。』とは言えません。
せっせとこのカリフラワーを食べています。









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2011年11月8日火曜日

野鳥の衝突

これ、何だかわかりますか?

高窓に付いた鳥型です 大きさはハトくらいです


こちらも、鳥の姿が見えるでしょ?

太田の事務所に出かける予定のない日、畑にも出ず、家の中の事などをしている時に、ゴツンと鈍い音がすることがあります。
だいたいは野鳥が窓にぶつかった音です。


この家は東側と南側に大きく窓をとってあります。
日中は屋外に比べて家の中が暗いので、大きな窓には広い空が写り込んでいるのでしょう。  時々窓に野鳥がぶつかります。
驚くほどに大きな音がすることもあって、それは鳥の体の大きさによるものです。






先日かなり大きな音がしたので外を見ると、窓のすぐそばの壇香梅の枝にタカのような…猛禽類…がとまりました。
地上から2メートルほどの高さの枝に…こんな近くで猛禽類を見たのは初めてでした。
鳥の鋭い目と私の目がチカッと合った瞬間に飛び立ちました。
…あんなに大きな鳥まで突っ込んでくるとは…驚きです。


鳥が窓にぶつかると、たいがいは窓に衝突の痕跡があるものです。
窓際に近づいて見ると、ガラスにはホコリのような跡と灰色の小さな羽毛が付いていました。
大きな鳥のわりには小さな跡だなと思いながら、何気なく窓の下を見ました。
ハトが落ちています。
…と、いうことは…窓にぶつかったのはハトだったのです。 
タカに追いかけられて窓ぎわの木立の間をすり抜けようと、スピードをあげて飛び込んで来たのでしょう。
木立の先には、畑が広がって見えたはずです…窓に映って…
窓に羽毛が付くほどの衝撃だったのですから、落ちているハトはすでに昇天しています。


追いかけてきたタカの名は何なんだろう…と思いました。
私の中でタカは総称であって、トビなのかノスリなのか、はたまたハヤブサなのかわからないのです。
いつも遠くから眺めるだけのタカは、くっきりとした輪郭のない存在でしたから。


近くで目の合ったタカの顔、黒と白のコントラストが強烈だったので、その記憶をたどって野鳥図鑑を開きました。
オオタカですって…!!   本当かな…!?


今回は一瞬のことだったので、カメラをかまえる間もなくオオタカは飛び去って行ってしまいました。
昇天したハトを、映像として残すことはありえません…ということで映像がないのが残念です。




さて、それから間もなく、モズの衝突がありました…こちらは映像があります。


高窓のほうから鈍い音がしました。
振り向くと鳥がまっすぐに落下するところでした。




敷石の上に落ちたので近くに寄ってみました。モズです。
 
じっと目を凝らすと胸が波打っていますから生きているようです。
しばらくそうしているうちに、瞼をシバシバさせて目を開きました。


モズにとっては不自然な形ですが…かわいいですね


私が覗き込んでいるのがわかると、ぴょんと体を起こしました。
でも左足がねじれているようで、立つことができません。


腰が抜けたのか、放心状態


モズは自分の身に何が起きたのかを理解しようとしているのか、しばらくはその体勢でいました。


…が、
次の瞬間、バサバサと飛んで近くのモミジの枝にとまり、一呼吸して大きく飛び去りました。


めでたし、めでたし…
        
このようなことが割と頻繁におこっているようで、バードセイバーを貼ることを考えています。











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